I Want A Music Using Rear Laser Audio
〝 戦争を知らない子供たち 〟
きたやま おさむ
を 戦争を知らない 大人たちが 聴く
です。
と言う事で、それまで、日本独自のジャケット・デザインで売られていたアルバムを、英国オリジナル・タイトルのジャケット・デザインに差し替えて、レコード番号も、それまでの「OR」「OP」や「AR」「AP」にかわり「EAS」で始まる番号を振って、装いも新たにビートルズのレコード盤が売り出された。当初28タイトルだったものが、私が確認できる限りでは、34タイトルまで増やされていた。しかも、その分類方法が凄い‥‥「英国 オリジナル」・「アメリカ オリジナル」・「日本 オリジナル」、さらに「オランダ オリジナル」に「西ドイツ オリジナル」と来たもんだ。どうせなら「フランス オリジナル」や「ブラジル オリジナル」なんかも欲しかったナ〜
因に、レコード番号の「O(オー)」は「Odeon(オデオン)」を表し、「A(エイ)」は「Apple(アップル)」を表している。また「R(アール)」は「モノーラル」を「P(ピー)」は「ステレオ」を表している。更に蛇足を付け加えれば、「AP」「AR」は1968年のアップル・レコード設立以降に日本国内で販売されたレコード盤に付されている。
小坂明子さんの『ビートルズをおぼえていますか』と言う曲がリリースされたのが昭和50(1975)年、クイーンの黄金期が丁度この頃であり、巷にはポスト・ビートルズ時代のグループ、アーティストが溢れていた。そう、ビートルズは解散し、ソロ・アーティストで活躍し或いは新たなグループとして活動し始めており、まだまだ「神話」にはなっていなかった。ビートルズですら「おぼえてますか?」と唄われる時代だったのだ。
ただ、解散したとは云えビートルズは「売れる」素材であったのは事実であり、日本の販社である東芝EMIは「来日10周年」企画で新たな需要を生み出そうとしていた。今思えば、アップル自体も、その後に爆発するビートルズ・ビジネスの可能性には、まだまだ気づいていなかったようだ。
そんな時代の混沌を視覚的に見てみよう!!
大変お待たせをいたしました。〝音斎処〟は冬眠から覚め3月24日より活動を再開します。
本年初回は「カーペンターズ特集」‥‥〝音斎処〟にいつも通ってくださっている細井さんから寄贈された盤を中心に、カレン・カーペンターの可憐な声を楽しみます。
どれも思い入れのある盤という事で、当日はご本人から色々なお話がきける事と思います。
また、今年からはスピーカーをJBLのバックロードホーンにかえて、より迫力のある音象をお楽しみいただける事と思います。
昨年の秋以降、レコード盤以外にも70年代のオーディオ機器を沢山ご寄贈いただけるようになり、修理調整を施しながら、当日お披露目したいと考えています。
ご寄贈くださった名古屋の伊藤さんにもおいで頂き、レコード盤やオーディオ機器の由緒などもうかがいたいと思いますので、ご期待下さい。
【蛇足】
バックロードホーンといってもご存知ない方も多いと思います。最近では滅多に見る事も無くなってしまった、ちょっと面白い構造をもったスピーカーです。
当日はその構造や大きさ(筐体の高さ)などを実際に目にしていただきながら、そこから生み出される迫力ある音をお楽しみいただけると思います。
勿論レコード盤を再生する入り口は(株)エルプのレーザーターンテーブルです。
どうかご期待下さい。
動く汽車の中でレコードをかけたことってありますか? 或いは、かかってるのを聴いたことはありますか?
おおよそレコードの再生には不向きな場所である汽車(気動車、ディーゼルカー)の中でレコード・コンサートをしたことがあります。それも一度ならず‥‥・
電車というのは、ご存知の通り、パンタグラフから電気の供給を受けてレールの上を走る車両のことです。それに対し、電気以外の動力源でレールの上を走るものを汽車と呼び、古くは蒸気機関車、現在でも気動車(ディーゼルカー)は汽車と呼ばれています。もっとも、この定義では鉄道(車両)に詳しい方からお叱りをうけるかもしれません。単純に、モーターで走るのが電車、エンジンで走るのが汽車‥‥じゃ蒸気は??
自動車同様レール上を走る気動車にしても、ディーゼルと聞いて真っ先に思い浮かぶのはあの独特の振動(音)ではないだろうか。発進時や加速時、或いは停車時に発するあのガクガクとした感じ、特有の振動とそれに伴う音‥‥とてもスムーズとは言いがたいあの感覚というのは、おおよそオーディオの世界とは相入れないものだといえる。そんな車両の中でレコード・コンサートをしてみたいと、無性に考えたことがありました。
高級オーディオ・メーカーにリンという会社があります。この会社のレコード・プレーヤー(針式)に、レーザーターンテーブル(以下LT)が発売されたばかりの頃の価格とほぼ同じ価格の製品があります。例えばこのリンのプレーヤーを私が所有しているとして、友人が「還暦祝いに、今度明知鉄道の車両を借り切って、これでレコード・コンサートしよまい」と誘ってきたとしたら、おいそれと「おお やろまい やろまい」とは応えないだろうと思います。だって「きっと針が飛んで巧くかからん」と思うからである。じゃ明知鉄道じゃなくって、空き家スペースだったらどうだろう‥‥。そんな妄想をしたことがある。きっと空き家スペースなら「運んでって、セッティングするのにめっちゃ大変だから ダメ」となるに違いない。
でも実際はリンではなくLTだから、割りと気軽に二つ返事をしている。
私がLT購入を決めた理由の一つに、気軽に持ち出せる(だろう/はずだ)というのがある。ここにもLTが一般のハイエンド製品と一線を画す特徴があります。
どうにも私にとってオーディオ好き(オーディオマニア)には悪いイメージがつきまとっている。
曰く;パイプを銜え、ガウンを着て、ブランデーグラスを片手に、オーディオルームのロッキングチェアで、ジャズを聴く、偏屈な老人‥‥的な。全くの偏見であるが‥‥的外れとも言い難い微妙感
オーディオマニアから「じゃぁ こんど家のオーディオルームに聴きにくれば」というお誘いは受けたことがあっても、「じゃ 今度 自慢のプレーヤー持って お宅にうかがってもいい?」なんてことは、まずもって聞いたことがないのである。何故なんだろうと色々理由を妄想したことがあるけど、明確な解は得られないまま今に至ってます。ただひとつ思い当たるのは「自信がない」のだろうと‥‥つまり、自分のオーディオルーム以外の場所で、いつも自身が聴いている音を、良いと思っている音を再現できる自信がない、ということではないだろうか。まぁそれ以前の問題として、実際持ち出すとなると大変な労力が必要なのは確かですし。
でもLTで聴くと、結構良い音を場所を選ばずに再生することができるのです。私自身は、音楽というかレコードというか、は皆で色々な所で聴くものだという思い込みが強いので、その思い込みを叶えてくれる機器でないとどうにもいただけない。その点LTはぴったりなのである。
まあスピーカーは超重量級のものもあるので、おいそれと持ち出せないのは判るけど、プレーヤーなんてすぐに持ち出せそうに思える。が、ハイエンドというのは一般人の考えが及ばないのが常、ハイエンド・オーディオ製品とは重厚な家具であったり、繊細な芸術品であったりするのだ。もはや音を楽しむためだけの道具ではなく、地位や富を示すための調度品なのである。だからおいそれと持ち出したりはしないのだ。
マイクロソフト創業者の一人であるビル・ゲイツが『自宅の7000万円かけたオーディオ・システムより良い音だ』と驚いた日本製のスピーカーがあるときく。残念なことに、その後ビル・ゲイツが自宅のシステムを全てそのスピーカーに入れ替えた、という話はとんときいたことがない。事程左様にハイエンドとはステイタスであり機能や性能ではなく、また、オーディオ・マニアとは「究極」といわれる高価なオーディオ製品を取っ換え引っ換え購入し、楽しむ人たちのことを言うのだ、と思って良いのだろう。
その点からいえば私は、オーディオ・マニアでもなければ、レコード・コレクターでもない、タダのレコード好きのオッサンでしかないのである。とにかくレコード溝に刻まれた音を、限りなく忠実に再生してくれる装置があればそれで良い。それだけなのである。
LTであれば、気軽に持ち出せて、色々な場所で、色々なアンプやスピーカーと組み合わせ、色々なレコードを楽しむことができる。LTを購入して以来この二年間で、恐らくそれまでの60年間をはるかに凌駕する量と質のレコードを聴いていると思う。最近では、収入とてないので、お金は出ていくばかりであるが、レコード盤はというとレコード盤の方から勝手に私の所に集まってくるようになった。面白くも有り難いことである。
誰かも言ってた気がするけど、或いはネットで読んだのかもしれないけど、音を後世に確実に伝える最も有効な手段・フォーマットはアナログ・レコードなんだと、今更ながら思います。なんせ構造はシンプルだし、聴こうと思えば大掛かりな機械や電気などなくても、針か爪楊枝かがあれば何が記録されてるかが判ります。こんなメディア・フォーマットなんて他にないんですね。ハイレゾがどんなに進化したってレコード盤を超えられない。断片をいくら繋いでみても連続にはならない。連続しているように聴こえたり、見えたりするだけなのです。
映像の記録と音の記録の根本的な違いは、映像の記録はその生い立ちからして連続を断片として切り取り、その断片を再び連続しているように見せる技術、であるのに対し、音の記録は連続を連続として残すという考え方による処です。なので映像の方がデジタルに向いている、というかデジタル処理との親和性が高かったわけで、それはパーソナル・コンピュータの世界では映像(処理)の方が早くから、速く進化してきたことを考えてみればよく判ると思います。
単純にいえば、CDは可聴周波数帯のみを記録する、つまり音データの質と量を大幅に低減する方向で停滞したのに対し、映像は解像度を上げる、つまりデータの量と質を大幅に増やす方向で進展してきています。音は、やっと最近になってハイレゾとかが話題になってきたに過ぎないですし、しかもハイレゾになると一気にデータ量が増大してしまい、CD一枚に収まらず、DVDでもLP一枚分がやっとかな‥‥といった根本的な問題は未解決のままなのです。
私は単純に、今後も生き残っていき、50年後、100年後も存在し続ける音の記録メディアはレコード盤だと信じているので、その再生装置としてレーザーターンテーブル(以下LT)を購入したわけです。購入し、使ってみて思ったのは、こんな素晴らしい製品と、それを通じて得られる体験とを独り占めしては申し訳ないということ‥‥やはり音楽の本質から言って、この体験をできる限り多くの人と共有できないか、ということでした。
そんな想いから始めたのが〝音斎処〟という活動なんですが、毎回少しづつでも共感していただける方が増えているのは嬉しいことなのです。
こうしたことをするのに、何故普通のターンテーブルでは駄目なのか‥‥LTでないといけないのか判りますか?
LTと同価格帯の針式ターンテーブルは数多く存在します。LTは世間では高価だといわれますが、オーディオの世界、ターンテーブルの範囲に限定しても、ハイエンドではありません。まだまだ桁違いの価格、つまり一千万円台の製品は幾つもあります。なのでオーディオ製品としてのLTは決して価格的にハイエンドでも、高価なものでもありません。蛇足を加えれば、高価格=高性能でもありませんから、LTの性能が低いということでもありません。
最近また巷間で「コスパ(コストパーフォーマンス)」なる言葉をよくききます。この言葉を使ってLTを表現すれば「コスパ最高のチョーヤベー製品」ということになります。ただここで言う「コスパ」は、本来の意味であって、現在一般的に使われるような意味ではありません。
「コスパ」つまり「コストパフォーマンス」とは本来「費用対効果」を意味するものであり、最近の「安い・お手ごろ・お買い得」の俗称としてのそれではないのです。じゃ本来の意味の「コスパ」は、今どう表現するんだろう、っていう疑問は残りますが‥‥
LTを購入する時に必要な金額と、LTでレコード盤を再生した時に得られる満足感とを比べれば、コストパフォーマンスはとんでもなく高いのです。これはもう体験してみないと判らないことなのですが‥‥。現代流コスパ主義で考えたら、黒色のレコード盤しか再生できないLTなど、絶対に購入しないこと、欲しいとも思わないことです。それよりもコスパ抜群のスピーカーを購入されることをお勧めします。音源などに金をかけず、YouTubeなどでタダで入手することしかしないリスナーに、とても評判の良いスピーカーがあるんです。今までとは全く異なる理論で作られたというこのスピーカーは、YouTubeとはとても相性が合うみたいで、今まで聴こえなかった音がきこえるらしい。もっとも元々録音はされているのに再生し切れていない音は当然聴こえないはずなのですが‥‥。一度LTと繋げて試聴したことがありますが、聴こえなくても良い音まで聴こえてきてしまい驚きました。それほど高性能ということなのでしょうが、やはりオーディオ製品というものには明らかに相性があるのだと良い勉強になりました。
銀行に壱銭の預金もないのに、利息を受け取ることはできないのは、至極当たり前のことでしょう。ところがオーディオの世界に入り込むと、この当たり前のことが当たり前ではなくなってしまいます。とっても不思議な世界なのです。このスピーカーを使えば、銀行預金がないのに利息だけは受け取れるんだよ、と言わんばかりなのは、どうにも貧乏性の私には理解できない処でもあるのです。私の専らの、そして最大の関心事は、レコード盤に刻まれた音を忠実に再生してくれる装置なのです。それは預金に利息など付かなくて良いけれど、元金だけは必ず守ってくれる金融機関のようなものです。
〝音斎処〟で色々なジャンルの様々な時代のレコード盤を再生していてだんだん判ってきたのは、結局はレコード盤の製作技術というか録音技術の優劣が肝心だということです。良い録音盤は良い音を再生してくれます。それは恐らくどんなプレーヤーで再生したとしても、良い音になるはずです。でもLTで再生するとそれがもっと凄いのも事実なのです。
とは言ってもやはり入り口あっての出口なのだと思うのです。元々再生されない音は、どんなに優れた出口であっても、出てこないはずです。もしも入ってもいない人が出口から現れたとしたら、そこには何らかのトリックがあるはずで、もはや忠実度を欠いていると私には思えるのです。そんなわけで私はこの入り口に徹底的にこだわってみようと思っているわけなのです。
ここでやっと問いに戻れます。「LTでなければならない理由」は、50年後、100年後も残り続けるメディア・フォーマットとしてのレコード盤を、その時にそれがつくられた時とほぼ同じに再現できる可能性があるのはLTしかない、と信じているからなのです。
Twitterでの「高くて買えない」「安くなったら買うよ」なんて言葉(つぶやき)を真に受けてはいけない。実際に買う人というのは、そんなことを言う前に実行してしまうのだ。(やっちゃえニッサン‥‥みたいに)
全く買う気のない人たちが買えない理由をあれこれ並べて騒いでいるのだ。買える人はお金持ち、などとある種揶揄して溜飲を下げているのかもしれない。こうした製品を買う側の気持ちなど、恐らく一生掛かっても判らないだろうな〜と思ったりするのだ。しかも、そうした人たちには基本的にこのような製品の持つ本質的な可能性などに思いも至らないのだと思ってしまう。
レーザーターンテーブル(以下LT)を「高い」という人たちの基準は、恐らく、自分個人の持ち物としての判断しかないように思える。想像力が乏しいのだ。他方「高いかもしれないが価値ある製品だ」と考える人たち、私もその一人かもしれないが、そうした人の基準は、個人としての楽しみや所有する満足を超えた処に、その価値を見いだしている。
Twitterのつぶやきの中に『レーザーターンテーブルによる盤起こしがセールスポイントってどうなんだろう』というのがあったが、こうした発想しか浮かばない鑑賞能力こそ「どうなんだろう」と思うのだ。このつぶやき者にはLTだからこそ持つ固有の可能性など思いも及ばないようで、単なるレコード再生装置の一つのバリエーションとしてしか判断できないようなのだ。
LTを高く評価している角松敏生さんや浜田省吾さん等は、アーティストの中でも特別な感性を持った存在ではないかと思える。あまり知られていないが、LTを所有しているアーティスト(ミュージシャン)は以前からかなりの数存在する。一人で複数台所有しているミュージシャンも多いと聞く。にもかかわらずLTで盤起こしして新作の一環として発表したアーティストは居なかったのだ‥‥何故なんだろう?そんな問いを立ててみると面白い。
アーティストが、自身の過去の発表作品をマスターテープ以外からリイシューするという事例は、かなり画期的だと思われるかもしれない‥‥が、そのこと自体は特に画期的なことではない。よく知られるように、ビートルズのデビュー・シングル「Love Me Do」の9月4日テイクと呼ばれるものは、現在普通に聴ける音源では盤起こしされたものである。先のつぶやき者がこの事例を知った上での発言だったのかは知る由もないが、ビートルズのこの例はビートルズの発表作品の歴史的価値を考えれば非常に重要なものであり、この盤起こしの恩恵を良しとしないビートルズ・ファンなど恐らく居ないだろう。そしてそれがセールスポイントでもある。
こうした歴史的意義がある例を挙げるまでもなく、現在市販されているオールディーズの安価なCD全集などの多くは、この盤起こしが、明示されているか否かは別として、かなり一般的なのだ。
閑話休題
角松敏生さんの例がかなり画期的な点は、LTの使用を公表している点であり、同時に盤起こしも公表していることだろう。
まぁデジタル音源しか聴いてこなくって、パソコン操作すらままならない人が多いと聞く、超デジタルネイティブ世代には理解できないだろうが、磁気テープの物理的限界を迎えつつあるマスターテープの劣化というのはかなり深刻なものらしい。
この何年かの間にビートルズの全作品、LP、シングル、モノラル、ステレオ、が次々とデジタルリマスターとして発表され、ボックスセットなどで発売されて話題となった。つい最近では、映像、PV、テレビ出演、にも同様な処理がされ発表・発売されている。
「これって何故?」「なんで今頃?」と思われた方もいるだろう。「ビートルズ・ビジネスの一環だよ」「ビートルズは儲かるからな〜」「音楽業界最後の頼りはビートルズ」‥‥なんて声きこえてきそうですね。勿論そうした面もあることは事実なんでしょうけれど‥‥
でもね「もう限界なんだな〜 アナログ・テープが」って私は思ったものです。先にも言った通りもうアナログのマスターテープが限界なんです、物理的に。だから今のうちに、せめてビートルズ位は全作品デジタルリマスター化しておかないと、後世に伝えられなくなっちゃうんです(つまり、この先儲けられなくなっちゃう)‥‥そんな危機感が滲み出てると思いませんか?私には感じられて結構痛々しくって、ついつい買っちゃいます(笑)
でもね、ビートルズやストーンズやツェッペリンや‥‥といった大物は良いですよ、金掛けても元取れますからね。でも一発屋はどうするの?一発屋だって凄い曲残してるのいっぱいいますよね。でもそこまで手が回らないし、第一商売にならないんです。
勘の良い人はもう何が言いたいかが判ったと思いますが、レーザーターンテーブルの持つ能力・可能性というのは、こうした処で発揮されるんですよね。だから「レーザーターンテーブルによる盤起こしがセールスポイントって」こうした処なんですよ。(といっても、角松さんの作品がそうだとは言いませんが。)
オリジナル盤を損なわず(非接触)オリジナル盤が作られた時の空気感までも再生できるレコードプレーヤーは、残念なことに世界中探しても、いくらお金を積んでも、LTしかないんです。恐らく角松さんはそうした可能性にいち早く気づかれたんだと思います。そして実践された、数少ない行動派ミュージシャンなのだと思います。
「レコードなんて聴ければ良いんだよ、そんな高いの使って聴かなくっても」という考え方の後世のリスナーに対してさえアーティストは妥協しないんだ、って心から思える。やはり凄い人だなっと尊敬してしまいます。単なる宣伝のためにだけ言ってるんじゃないんですよね。レーザーターンテーブルが売りになるなんて全く思ってないと思いますよ、きっと‥‥でなくって、アーティストとしての衝動がLTによって揺り動かされたんだと思います。
私などはアーティストでもミュージシャンでもない、唯のオッサンですけど、明知鉄道の気動車でのレコードコンサートや〝音斎処〟を始めるきっかけは、LTの持つこうした可能性への気づきにあるので、少し、ほんの少しだけど判る気がします。
曰く;
『価格が10分の1ぐらいになれば‥‥なんとか買えるけど』
『庶民が買える値段になったら‥‥』
『高すぎてお話にならない‥‥』
『冗談で欲しいけど、冗談で買える価格じゃない‥‥』
『高すぎるっしょ!多分大人になっても買えない‥‥』
『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい』
一見すると至極まともな意見と思われるものが、出るは出るは‥‥
でも私にはとてもまともな意見には思えなかった。少なくとも本当に『買う気がある』人の発言とは映らなかったのだ。ネットやSNSのトレンドやキーワードが全く当てにならないのは薄々判っていたけど、これほどまでとは思わなかった。
10代20代の結構若い人たちのつぶやきが多いのだろうけど、それにしても‥‥経済や社会や趣味に関する感覚がこれほど貧弱だとは想像をしていなかった。まぁ今のネット空間というのはそういう人たちが活躍する世界だ、と言われてしまえばそれまでだが、この先どんな世の中になっていくのだろうと妄想すると、結構エグイ。
緒から買う気などなさそうな人たちが「高い高い」「買えない買えない」とつぶやく、自分で確かめもせず又聞きやネットの不確実情報を元に「良い」とか「悪い」とか評価を下す‥‥しかも大半は値段のことで、その値段もコモディティ商品との比較でしかないと思われる。なんと夢の無い世の中になってしまったんだろう。『個人の趣味で所有する』以外誰がこうした製品を個人で買うというのだろうか。『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい、ので都民の税金を使って買いました。』ってマスゾエかっ。
因に、現在多くの公共機関や大学でレーザーターンテーブル(以下LT)を持っている所は多いのだが、それが十分に使われているという噂は余り聞かない。
こうしたつぶやきを見てて、私が一番思ったのは『なんでソニーやテクニクスが庶民でも買えるLTを発売しないんだろう?』といった素朴な疑問が一つも見当たらなかったことだ。正しい問いが立てられれば正しい解が得られると言うことは、最近の教育では教えないのだろうか。この素朴な問いは多くのことを応えてくれる。何故LTは高価なのか。何故今後も安価にならないのか。更に「LTが二度と手に入らなくなる事態」をも予測できるというのに。今入手できる最後の一台と考えれば、決して高価なものではなく、入手するためのあらゆる手段を考えるだろうに。
ごくごく単純に考えれば、LTはその機能・性能と価格の比で考えれば決して高価ではなく、むしろ安価な部類だといえる。少なくともアウディTTクーペを買う気になれば、十分おつりがくるくらい安いし、日本の道交法で考えれば、サーキットを除けばアウディTTクーペの性能を(合法的に)十分発揮できる場所など皆無であることを考慮すれば、LTの価格対性能比や購入満足度は際立っている。
自動車とターンテーブルを比較しても無意味、と非難されるかもしれないが、趣味とはそうしたものだ。
iPhoneを筆頭とするスマホとLTを比べては成らないのが趣味の世界だ。何故って今どき若者が趣味でスマホを所有していることなど金輪際無いのだから。
ということで、〝音斎処〟では巷間「高価」と噂されているLTを惜しげもなく(笑)持ち出して、その音の良さを皆さんに「無料」で楽しんでいただいております(笑)。
◇ つぶやきへの妄想返答例 ◇
『価格が10分の1ぐらいになれば‥‥なんとか買えるけど』
〜 今後更に高くなることはあっても、安くなることはありません。しかも10分の1なんて絶対にあり得ません!!
『庶民が買える値段になったら‥‥』
〜 庶民でも買えますが、庶民の定義にもよります。
『高すぎてお話にならない‥‥』
〜 高いのは確かですが「すぎて」はどうかと思います。まぁスマホに比べれば絶対価格は高いですが。それより通信費の方が「高すぎ」だとおもいます。
『冗談で欲しいけど、冗談で買える価格じゃない‥‥』
〜 冗談はやめて、真剣に分割購入を考えるべきです。
『高すぎるっしょ!多分大人になっても買えない‥‥』
〜 ってことは、大人になっても車も買えないってことですか?確実に車より安いのに。だったら、現政権の経済政策に怒るべきです。
『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい』
〜 いやいや、あなた個人の発想の問題でしょ。趣味じゃなくLT使って新たな事業を興したら?
◇ 『なんでソニーやテクニクスが庶民でも買えるLTを発売しないんだろう?』の単純な疑問についての解 ◇
日本にレーザーターンテーブルの技術が紹介された時に、当時の大手オーディオメーカーはこぞってその技術の導入を見送りました。理由は経済的メリット、つまり儲け、が見込めないから。
丁度アナログ媒体がデジタル媒体へと変遷していく時代で、音楽産業にとってはCDが今後有望な技術だという判断があったからです。殊にその流れを作り推し進めていたのはソニーでしたね。だから、ソニーやテクニクスからレーザーターンテーブルが発売されなかったのです。レーザーターンテーブルの最大の特徴、それは則ち経済的なデメリット、は量産ができないということです。量産・大量販売による経済的メリットが見込めず、レコード盤の売上はCDに取って代わられることが予想されれば、誰だって手を出しませんよね。しかもその技術はまだ確立されたものでなければ尚更です。その時この技術の可能性に気づき、製造技術の確立に尽力し、製造販売にまでこぎ着けたのが(株)エルプの千葉社長だったのです。
そうなんです、レーザーターンテーブルは手作りなのです。作っている場所、工場ではなく工房といった方が良いか、を見学させていただいたことがありますが、ベルトコンベアで製品が流れてくるなんてことはなく、人が作業台を移動しながら精密部品を組み上げていくのです。なので、年間100台くらいしか製造できないのです。そんな製品が10万や20万で買える訳ないですよね。
例えは悪いですが、山からタダで採ってきた材料で作る工芸品だって、それ位の値段で売ってますよね。なので、無理なんです、今後大手オーディオメーカーが安価なレーザーターンテーブルを製造販売するなんて。特許がとかコストがとか、そんなことではないのです。もともと要素技術が無いのです。そうした事情を理解できない人には、レーザーターンテーブルの本当の良さは判らないと思いますし、世界で唯一(株)エルプが自社で製造し、直接販売している意味も判らないと思います。私はその会社が日本にあって本当に良かったと思っています。なので価値の判らないものには価格での判断しかないのだろうけど‥‥それはLTにとっても価値を知らない人にとっても不幸なことではあるけれど‥‥まぁそれはそれということで。
なんとこのカーブ私とオナイドシじゃん。
私はてっきりRIAAはすべてをカバーする、と思っていた。私の学生時代の情報なんてそんなもの。今のようにタダで情報とりまくり、なんて時代ではなく、信頼できる、使える情報は、それなりにお金や時間を使わないと得られなかったのだ。その結果が「RIAAはすべてをカバーする」という思い込みであり、BassとTrebleが何故アンプについているのかが疑問として残ったままの状態なのだ。
「時」は多くのことを解決する。還暦を過ぎた今、学生時代の思い込みや疑問を解決する時間と手段は多くなった。そんな中また調べ始めたのがフォノEQとRIAAカーブだった。
コルグの製品は、このフォノEQカーブを6種類備えている。RIAAカーブ以外に五つあるということだ。しかもこのカーブを適用する場面を選択できる。「掛け録り」と呼ばれる仕方と「後掛け」と呼ばれる仕方の二つだ。なんだか「掛け蕎麦」と「盛り蕎麦」の違いのような感じだが。「掛け録り」は文字通りフォノEQカーブのどれかをONにしてレコードを録音・モニターする、「後掛け」はフォノEQを一切使わずに録音・モニターした音を、再生する時に6種類から選んだ一つのカーブを適用するわけだ。
前者で録音すれば、好みのフォノEQカーブで再生した音が保存でき、後者で録音すればフォノEQを通さない音が保存できるため、再生の度に異なるカーブで聴くことも可能になるのだ。
思うに、レコードのアーカイブには後者が適しているといえる。将来フォノEQ機能をソフトウエアとして提供する製品が増え、優秀な製品が現れたら、アーカイブ音源を損なうことなく、最新技術の恩恵を受けられるのだ。
まぁそうした需要も徐々に出てきたんだろう。
アナログの見直しによってデジタルも活気づく‥‥どちらかがどちらかを淘汰しておしまい、という風では経済が回らなくなった、ということだろう。これからは、アナログ、デジタルそれぞれがそれぞれの特徴や長所を認めあい、巧く融合していく時代になるんだろうなぁ。そうなることを大いに期待したい。
音に関していえば、アナログ、つまり連続音にまさるものはない(とおもう)。今ハイレゾなんて呼ばれる音の技術もしょせんレコードの音質に追いつこうとしているに過ぎない。
私などはハイレゾなどというデジタルの技術も重要だが、こうした高いデジタル技術でより(というか、圧倒的に)精度の高いグルーブ(音溝)をもつレコード盤を作った方が、経済的な意味でもより効果があるように思うのだ。
その意味でコルグの製品は先進的で面白い製品だと思うし、レーザーターンテーブルと組み合わせて得られる音というのはかなり先進的なものだと思えるのだ。
〝音斎処〟では今後このような方向でのレコードコンサートも企画していきたい。
六月は、廿五日を予定しています。が、まだ確定ではないので変更の可能性もあります。
この回は少し趣を変えて、ハイレゾ音源を楽しんでいただこうと思います。『アナログとハイレゾが聴けるお休み処』というのが〝音斎処〟のキャッチフレーズでもあり、今までアナログ中心に、しかもワン・アーティストを中心に取り上げてきたのを、初めてハイレゾ音源に、複数アーティストでお楽しみいただこうと思います。
内容的には、最近テレビでも結構取り上げられて、特集番組なども組まれている『昭和歌謡』を、シングル盤として発売されたものを中心に取り上げたいと思います。
ここからは主催側の勝手な理屈で申し訳ないのですが、シングル盤のレコードを再生しようとすると実は結構時間がかかるのです。7インチのレコード盤一枚の裏表に一曲ずつ、計二曲しか録音されていないシングル盤は、複数のアーティストを取り上げるとなると、レコード盤の交換に時間がかかりすぎ、聴かれている方に間延び感を与えてしまいます。地元の皆様から寄贈されたレコードにあるシングル盤を中心に、沢山の楽曲を、また普通テレビやラジオの番組では省略されてしまう、B面もあわせてご紹介したいと思っているので、六月の回は今までと手法を変えて、ハイレゾ音源を使ってのコンサートとしてみようと思います。
閑話休題
ハイレゾ音源というと聞きなれないかもしれません。簡単に言ってしまうと、CDの音質より高音質、アナログ音源に近い音、と言われるものです。最近はハイレゾ音源として、CDやレコードという物理的な入れ物を使わず、ネットを使った配信・ダウンロードという形で販売されてもいます。
〝音斎処〟ではレコード・コンサートのような活動をする一方で、実は地元の方々から寄贈された沢山のレコードを整理・保管、洗浄、保存・活用する活動もしています。いわゆるアーカイブということですが、その際にレコード盤一枚一枚をできうる限り最良の音質で保存するために、このハイレゾ化という手法を採っています。実際には、各レコードをターンテーブルで再生しながら、その再生音を録音しているわけですが、その録音というのが昔のカセットテープに録音するということではなく、コンピューター・ファイルとして保存する形で録音しているわけです。コンピューター上での録音形式(フォーマット)はいろいろあるのですが、〝音斎処〟が現在採用しているのは192kHz・24bitのPCM形式で非圧縮(AIFF)ファイルとしてアーカイブしています。
〝音斎処〟六月の回ではこうしてアーカイブされたレコード音源を使って、昭和の歌唱曲(昭和歌謡)を取り上げようと思います。乞うご期待!!
あと二枚はレコードとしてはかなり録音状態がいい優れものだと私が思っているものです。
レコードの価値は、普通に考えれば〝誰の〟レコードか、つまりアーティストの価値で決まるものですが、それ以外にも基準があると思うのです。その一つがいかに優れた録音であるかだと思います。アナログの醍醐味というのは、ある意味この録音の良さを感じられるかどうかにあると思うのです。CD以降のデジタル音楽というのが、いかにクリアな音質かを主眼に置いたものであるのに対し、アナログであるレコード盤においてはいかにマスターテープに忠実かに重点が置かれていたと言えます。それゆえ音の作り方がマスターテープをレコード盤にする過程、カッティングの過程、で大きく変わってしまうわけです。
単純に言ってしまえば、現今のデジタル音楽製作では簡単に無音部分を本当に無音(つまりはデータ無し)にできてしまうので、S/N比というのはあまり考える必要がないのですが、アナログにおいては如何に無音部分でノイズを乗せないかというのが重要になると思うのです。わかりやすく言うと、CDでは曲と曲の間は完全に無音になっているのに対し、レコード盤ではノイズが乗っています。それがスクラッチ・ノイズなのかテープヒスなのか、はたまた全く違うノイズなのかは別としてです。
で、本題に戻ると、こうしたノイズを抑えて、ダイナミックレンジを大きく取られた音というのはとても迫力のある、聴いてて心地よいものになります。この心地よさというのはCDでは決して得られないものでもあります。そうした〝良い音〟をたくさんの人に聴いて欲しいと思っています。
ソニーのコンデンサー・ヘッドフォンは、知り合いの方のお子さんに修理してもらいました。
とても、柔らかで透明感のある音です。
ヤマハのアンプは、筐体を洗剤でクリーニングし、内部をエアーで吹き飛ばした後、プラグやスイッチ類を接点潤滑剤で磨きました。
まだ接点の埃が残っているようで、時々スイッチング時にバリバリ音がしますが、基本的な機能は全て使えるようです。
経年変化でか左右の出力バランスが崩れているのが残念です。ただいま、本格的にオーバーホールに出すか否か思案中です。
アイワのDC駆動可能なプリメインアンプAA-16X
このアイワのプラグに合うACケーブルを見つけるのに苦労しましたが、やっと探し出したソニーのACケーブルが使えるようで、一応復活しました。
こちらも接点や内部の清掃後エージングを重ねています。スイッチング時のバリバリは少ないのですが、やはり左右の出力バランスが崩れています。
とはいえ、モニター用のアンプとして、あるいはiPhone再生用としては十分使えます。後で出てくる、トトリオの受信機用スピーカーと相性ぴったりです。
ソニーのフォノイコライザー内蔵ポータブル・ミキサーMX-510
電池駆動のライン、マイク、フォノミキサーというのは、昨今ではあまり入手できないものです(当たり前か)。
これはちょっとしたレコードコンサート用にレーザー・ターンテーブルとマイクの両方が使えるので重宝しそうです。
やっとこれに合いそうなACアダプターも見つかり、改造して、AC駆動も可能となりました。
デンオン(現デノン)カセットテープ・デッキ
昔取った杵柄、ならぬ昔録りためたエアチェックのデジタイズにただいま大活躍中です。
カセット・テープ全盛時の全ての種類のテープが再生可能なので重宝しています。
これはDENONの修理部門に持ち込んで直してもらいました。
通信機メーカーだったトリオ(現ケンウッド?)の受信機用スピーカー
終活の際に発掘されたトリオの受信機用スピーカーで、恐らく昭和43、4年の頃のものです。
LANコードで作った極細スピーカー・ケーブルを使ってアイワのアンプで鳴らすと、結構いい音を出してくれます。
音としてはラジオに近い感じかな‥‥非常に懐かしい音です。
YAMAHAのキーボード用電源アダプター
終活時の発掘作業で見つかった、ヤマハのキーボード用のこのACアダプターが電圧・容量ともソニーのマイク・ミキサーにぴったり!!
ただし、ミキサー側の極性が内外逆だったので、自分で工作してみました。
こちらはDENONのDP-5000F
もともとは放送局用に作られたターンテーブルを母体としているため、アームリフト機構が付いていない。その代わりに回転数の微調整用ボタンが付いている。
なぜアームリフト機能が無いかというと、DJ(ディスクジョッキー)が予め音出しをしたり、MC終了後すぐに音を立ち上げるのには直接アームを操作したほうが確実であり、早いからだそうです。
それと放送局などの現場では、余分な機能が付いているとメンテナンスが煩雑になるため、できる限りシンプルなものが向いているからでもあるようです。アームリフト機構がなんらかの理由で機能しなくなったら放送事故‥‥なんてこともありうるからですね。
なのでこの機種では静止状態から規定回転数に立ち上がるまでに確か三分の一回転くらいしかかからなかったと記憶します。ということは、予め音楽が始まる場所を音出しして、そこから三分の一回転分戻したところでアームを下ろしたままにしておけば、MC終了後スタートボタンを押して最少時間でレコードを聴かせることができるわけですね。
こちらはDENONのDP-55L
もともとはDJ(ディスクジョッキー;現在のDJではないので要注意)用途に作られたターンテーブルDP-5000Fとは違い、こちらの機種は完全に民生用(家庭仕様)なのでアームリフト機構が付いています。しかもセミオートで、LIFTERのDOWNボタンを押せば自動的にアームが下がり、片面終了後にはアームがアップします。
このアームリフターに関しては、レコード盤をターンテーブルに乗せた後にボタンを押せば、あとは勝手にアームが盤上に移動してダウンし、レコード終了後にアップしてアームレストに戻ってくる、というフルオートのものもありました。
その他の違い
この二機種の上記以外の違いは、ターンテーブル自体の違いというより、レコードプレーヤーとしての機能の違いというべきかもしれません。
この写真からはわかりませんが、DP-5000Fにセットされているアームには針圧調整機能が付いていません。これはどういうことかというと、DP-5000Fにセットされているアーム、DENONのDA-303という型番ですが、は同じくDENONのDL-103というMCカートリッジ専用に設計されたものだからです。したがって、このアームではカートリッジを取っ替え引っ換えして音の違いを楽しむと言うことができません。これも元々は放送局向けの仕様なのだそうです。もちろんヘッドシェル(カートリッジを取り付ける筐体)もDL-103専用のものなので、オーバーハングの調整もできないわけです。
と、ここまで書いてきて、思えばめんどくさいことをやってたもんだ、と‥‥。当時はそれが当たり前だったのであまり気にもならなかったのですが、今はレーザー・ターンテーブルがあるので、針圧もオーバーハングも全く考慮する必要などありません。レコード盤と物理的に接触しないレーザー・ターンテーブルではそうしたことは全く関係がないのです。
そうそう思い出しましたが、写真でわかる通りターンテーブルのアームというのはレコード盤の外周から中心に向かってわずかにカーブを描きながら移動します。レコード盤の半径を直線で移動しないんですね。一時期リニアトラッキング方式という針が半径に沿って外周から一直線に移動する機種もありましたが、結局主流にはならなかったようです。
レーザー・ターンテーブルの場合には、外からは見えませんが、レーザーピックアップが直線移動するようです。
準備完了・今回はモノラルをかけるということで初めてADACをプリアンプとして使用しました
こんな看板を作っていただきました(会場前)・看板があっても通り過ぎてしまうごくごく普通の建物ですが、築100年近く経っているとのこと
こんな看板を作っていただきました(枡形にも)・岩村に通い慣れた方にはすぐにわかる場所ですね・左の花餅が飾ってある電柱のところが老舗家具「京屋」さんです・途中息抜きに京屋家具のご主人と奥さんが代わりばんこにレコードを聴きに来てくださいました、しかもご主人は自ら入れられた珈琲の差し入れを持参で‥‥本当に有難うございました
外の様子です@枡形前メイン会場・メイン会場は入れ替わりで沢山のグループが演奏を‥‥こちらは陽の光が柔らかく春らしい暖かさでした
家族連れのお客さん‥‥熱心にレコードについてお子さんに教えて見えました・この場面ではお父さんがレコード盤の溝とレコードの針についてお話しされていました、お母さんと娘さんとに挟まれて足しか見えませんが、親子四人のご家族でした
レーザー・ターンテーブルの音に聴き入るみなさん‥‥音楽好きの方にはとても好評でした・音楽好きの人にはアナログとデジタルの音の違いはすぐにわかるので、モノラルでもステレオ感のある音に熱心に聴き入ってみえました
実はまだまだたくさんの方に聴いていただいたのですが、写真を撮るのを忘れてしまいました。というのも、熱心な方とのお話に夢中で‥‥殊に、このスペースの音の良さや、大音量でレコードを聴けることにみなさん感激されていました。「こんな大きな音で家ではかけられないもんな〜」という声が多かったですね。私としては、出したい音の六割くらいでしたが、普通の家庭ではそんな音でも聴けない状況がありますネ そうは言ってもご近所のことを考えて抑えていたわけですが‥‥。去年の五月に女城主の酒蔵をお借りして出した音を聴いてもらいたいな〜 きっとビックリ&大感激だろうな〜 私の去年のライブマジック&今年のリザードのように!!
今回お話しした中にも3000枚近くのレコードをお持ちの方がみえました。ブルーグラスとジャズが多いとのお話でした。ブルーグラスをそれほど集められている方を私は知らないので、ぜひそのコレクションでコンサートなんかしてみたいですね〜
レーザー・ターンテーブルについて多かった質問は;
・まずその原理ですね;CDもレーザー光を使ってるので、そのイメージが強く残っていて、波形を読み取るということにちょっと時間がかかるようでした
・次はデジタル処理の有無;レーザー・ターンテーブルでは一切デジタル処理をしていないのですが、その音の良さから逆にデジタル処理をしてるのでは?という質問が多かったですね
・後は値段に関する質問が多かったのですが‥‥この点は、初期コストは高いがランニング・コストを考えると結局は安くつくということをお伝えしました。ブログでもFBでもお伝えしてますが、私は中古レコード店で買うときは100円LPから探すことにしています。中古レコード店で値段が安いのは基本的にジャケットやライナーノーツが無かったり汚れたりしているもの、レコードの盤面に傷があったり反ってたりするものなんです。でも、レコード面と接触しないレーザー・ターンテーブルではレコードをそれ以上傷めないし、もともと聴き込んで溝が減ったレコード盤でも、針とは違う場所を読み取るレーザー・ターンテーブルでは今まで針が一度も触れていない溝を読み取るので音の良さは中古でも新盤でも変わらないのです‥‥などなど
そんな説明を現物を操作しながらしていると皆さんが一様に驚かれたのはその操作性の高さです。つまり、選曲や曲飛ばしリピートなど通常のCDプレーヤーやMP3プレーヤーで出来ることはほぼ全てできるのです。いちいちトーンアームを触る必要は全くないのですね この点に本当に驚かれました。
もちろんレーザー・ターンテーブルの不得意な点もちゃんとお伝えしました。
・ホコリや汚れに極端に弱い 〜 溝にホコリや汚れが残っているとレーザー光は雑音としてそのホコリや汚れを再生すること
・黒い盤以外は再生できない 〜 レーザー光の特性として黒以外では反射されないので再生情報が得られない
などですね。
ということで、今まで耳にしことはある「レーザー・ターンテーブル」を実際に見て聴けたことに皆さんにお礼をいただいてしまいました。
そんなわけで、今後もまたこんな機会を持ちたいな〜
そうそう〝レコ鉄〟の話を忘れるところでした。この話をすると皆さん一瞬驚きの表情でしたがすぐに「針がないからか〜」と納得していただけました。
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