〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio


Twitterで「レーザーターンテーブル」を検索

最近ちょっとした興味があって、Twitterで「レーザーターンテーブル」を検索してみた。
その結果から、結構面白い妄想が膨らんだので‥‥

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曰く;
『価格が10分の1ぐらいになれば‥‥なんとか買えるけど』
『庶民が買える値段になったら‥‥』
『高すぎてお話にならない‥‥』
『冗談で欲しいけど、冗談で買える価格じゃない‥‥』
『高すぎるっしょ!多分大人になっても買えない‥‥』
『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい』

一見すると至極まともな意見と思われるものが、出るは出るは‥‥

でも私にはとてもまともな意見には思えなかった。少なくとも本当に『買う気がある』人の発言とは映らなかったのだ。ネットやSNSのトレンドやキーワードが全く当てにならないのは薄々判っていたけど、これほどまでとは思わなかった。
10代20代の結構若い人たちのつぶやきが多いのだろうけど、それにしても‥‥経済や社会や趣味に関する感覚がこれほど貧弱だとは想像をしていなかった。まぁ今のネット空間というのはそういう人たちが活躍する世界だ、と言われてしまえばそれまでだが、この先どんな世の中になっていくのだろうと妄想すると、結構エグイ。

緒から買う気などなさそうな人たちが「高い高い」「買えない買えない」とつぶやく、自分で確かめもせず又聞きやネットの不確実情報を元に「良い」とか「悪い」とか評価を下す‥‥しかも大半は値段のことで、その値段もコモディティ商品との比較でしかないと思われる。なんと夢の無い世の中になってしまったんだろう。『個人の趣味で所有する』以外誰がこうした製品を個人で買うというのだろうか。『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい、ので都民の税金を使って買いました。』ってマスゾエかっ。
因に、現在多くの公共機関や大学でレーザーターンテーブル(以下LT)を持っている所は多いのだが、それが十分に使われているという噂は余り聞かない。

こうしたつぶやきを見てて、私が一番思ったのは『なんでソニーやテクニクスが庶民でも買えるLTを発売しないんだろう?』といった素朴な疑問が一つも見当たらなかったことだ。正しい問いが立てられれば正しい解が得られると言うことは、最近の教育では教えないのだろうか。この素朴な問いは多くのことを応えてくれる。何故LTは高価なのか。何故今後も安価にならないのか。更に「LTが二度と手に入らなくなる事態」をも予測できるというのに。今入手できる最後の一台と考えれば、決して高価なものではなく、入手するためのあらゆる手段を考えるだろうに。

ごくごく単純に考えれば、LTはその機能・性能と価格の比で考えれば決して高価ではなく、むしろ安価な部類だといえる。少なくともアウディTTクーペを買う気になれば、十分おつりがくるくらい安いし、日本の道交法で考えれば、サーキットを除けばアウディTTクーペの性能を(合法的に)十分発揮できる場所など皆無であることを考慮すれば、LTの価格対性能比や購入満足度は際立っている。
自動車とターンテーブルを比較しても無意味、と非難されるかもしれないが、趣味とはそうしたものだ。
iPhoneを筆頭とするスマホとLTを比べては成らないのが趣味の世界だ。何故って今どき若者が趣味でスマホを所有していることなど金輪際無いのだから。

ということで、〝音斎処〟では巷間「高価」と噂されているLTを惜しげもなく(笑)持ち出して、その音の良さを皆さんに「無料」で楽しんでいただいております(笑)。





◇ つぶやきへの妄想返答例 ◇ 

『価格が10分の1ぐらいになれば‥‥なんとか買えるけど』
 〜 今後更に高くなることはあっても、安くなることはありません。しかも10分の1なんて絶対にあり得ません!!

『庶民が買える値段になったら‥‥』
 〜 庶民でも買えますが、庶民の定義にもよります。

『高すぎてお話にならない‥‥』
 〜 高いのは確かですが「すぎて」はどうかと思います。まぁスマホに比べれば絶対価格は高いですが。それより通信費の方が「高すぎ」だとおもいます。

『冗談で欲しいけど、冗談で買える価格じゃない‥‥』
 〜 冗談はやめて、真剣に分割購入を考えるべきです。

『高すぎるっしょ!多分大人になっても買えない‥‥』
 〜 ってことは、大人になっても車も買えないってことですか?確実に車より安いのに。だったら、現政権の経済政策に怒るべきです。

『個人の趣味で所有するのは流石に厳しい』
 〜 いやいや、あなた個人の発想の問題でしょ。趣味じゃなくLT使って新たな事業を興したら?



◇ 『なんでソニーやテクニクスが庶民でも買えるLTを発売しないんだろう?』の単純な疑問についての解 ◇ 

日本にレーザーターンテーブルの技術が紹介された時に、当時の大手オーディオメーカーはこぞってその技術の導入を見送りました。理由は経済的メリット、つまり儲け、が見込めないから。

丁度アナログ媒体がデジタル媒体へと変遷していく時代で、音楽産業にとってはCDが今後有望な技術だという判断があったからです。殊にその流れを作り推し進めていたのはソニーでしたね。だから、ソニーやテクニクスからレーザーターンテーブルが発売されなかったのです。レーザーターンテーブルの最大の特徴、それは則ち経済的なデメリット、は量産ができないということです。量産・大量販売による経済的メリットが見込めず、レコード盤の売上はCDに取って代わられることが予想されれば、誰だって手を出しませんよね。しかもその技術はまだ確立されたものでなければ尚更です。その時この技術の可能性に気づき、製造技術の確立に尽力し、製造販売にまでこぎ着けたのが(株)エルプの千葉社長だったのです。

そうなんです、レーザーターンテーブルは手作りなのです。作っている場所、工場ではなく工房といった方が良いか、を見学させていただいたことがありますが、ベルトコンベアで製品が流れてくるなんてことはなく、人が作業台を移動しながら精密部品を組み上げていくのです。なので、年間100台くらいしか製造できないのです。そんな製品が10万や20万で買える訳ないですよね。
例えは悪いですが、山からタダで採ってきた材料で作る工芸品だって、それ位の値段で売ってますよね。なので、無理なんです、今後大手オーディオメーカーが安価なレーザーターンテーブルを製造販売するなんて。特許がとかコストがとか、そんなことではないのです。もともと要素技術が無いのです。そうした事情を理解できない人には、レーザーターンテーブルの本当の良さは判らないと思いますし、世界で唯一(株)エルプが自社で製造し、直接販売している意味も判らないと思います。私はその会社が日本にあって本当に良かったと思っています。なので価値の判らないものには価格での判断しかないのだろうけど‥‥それはLTにとっても価値を知らない人にとっても不幸なことではあるけれど‥‥まぁそれはそれということで。

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