〝音斎処〟
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〝音斎処〟
I Want A Music Using Rear Laser Audio
〝音斎人〟
2017/04/02 Sun Filed in:
〝音斎処〟
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レーザーターンテーブル
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岩村
今更なのかも知れないが、〝音斎処〟というのは、地域活性化のためにやっているのでもなく、町おこしのためでもなく、ましてや情報発信のためにやっているのでもない。ただ単純に自分自身が大きな音でよい音楽を聴きたいと思ってやっているのだ。
元々お金もうけのために始めたわけではなく、お金を払ってでもやってみたいと思ったことをやっているだけなので、入場料など設定していない。無料だから聴きたくない音楽がかかる時もあるし、下手なMCを聞かされることもある。そんな時は入退場自由だから、さっさと出ていっても構わない。逆に通りかかったら好きな曲が流れていたので、と入ってきていただいても構わない。『去る者は追わず、来る者は拒まず』が基本精神なので、一期一会の出会いがそこにあればそれでよい。
〝音斎処〟というとなんか「ちゃのみどころ」みたいな感じで、お店だと思われることもあるが、お店ではない。喫茶店ではないし、レコード店でもない。まして中古レコード屋でもないのだ。まあどう例えたらよいのかよくわからないのだが、自分の部屋に友達を呼んでレコードを持ち寄って互いに批評しつつ聴いている、というのが一番近い気がする。いってみれば昭和40年代から50年代中ごろ位までの、中学生、高校生、大学生の日常のような雰囲気と思っていただければよいかも知れない。とは言え、その時代を知らない方にとっては「なんのこっちゃ?」ということなのだが。
そんな感じの〝音斎処〟も今年の春で三年目になった。一昨年は、春と秋のいわむらのお祭りに合わせての開催だったが、昨年から毎月一回やるようになった。「やるようになった」というと大袈裟で、実は「できるようになった」というのが本当のところだ。
冒頭に書いたように『自分自身が大きな音でよい音楽を聴きたい』と思って始めたのだが、やはり世間は広い、数は少なくとも同じような欲求を持つ人は零ではないということで、開催に協力してくれる方、聴きに来てくれる方が徐々に増えてきたのだ。その方々の後押しがあって毎月開催できるようになった、というのが実情だ。そうした方々を始め、〝音斎処〟に集ってきてくれる方々を〝音斎人〟(おんさいと)と、私は勝手に呼んでいる。
私自身は岩村出身でもなく、岩村に住んでいるのでもない。通っているだけの人間である。四年ほど前に「ふるさとがよい」というエッセーを書いた事があるが、まさに故郷に通うが如く岩村に出没している。当の岩村の人々にとっては迷惑な存在なのかも知れないが、本人は気にしていない。「そんなに通ってどこがいいの?」とはいわれたことがあるが、「もうこないで」といわれたことはない。岩村とそこに住む人々は懐が広いようだ。
昨年の半ばくらいから〝音斎処〟がきっかけで月一回は岩村に通う「ふるさとがよい」の〝音斎人〟ができ始めた。とても嬉しいことだ。
なにが嬉しいかといえば、一番はそうした〝音斎人〟が持ってきてくださる情報である。そう〝音斎処〟は情報発信は目指していないが、情報の受信は目指している。強力な出力の送信機ではないが、微弱な電波もできる限り掬い上げられるような優れた受信機を目指しているのだ。数は少ないがそうした方々は、色々な情報を〝音斎処〟にもたらしてくれる。
昨年の山下達郎さんの特集では、山下達郎ファンクラブに入っている方が満足されたようだったし、青春時代の思い出キース・ジャレットを聴きに来ました、という方もみえた。そんな中。今年は新たな情報を持ってきてくださった方が‥‥。
世の中には一見しただけではどう使うかが想像できないもの、想像はできてもホントにそうなのかが判らないものが存在する。現代のスマートフォンのように、最初から中の仕組みなんてわからなくてよい、としているデジタル機器などは、元来中身が見えない作りなので想像する気すら起こらない。そこへ行くとアナログ機器というのは、ある種想像力をかき立てるために存在したり、勝手な妄想にふけったりできるオモチャの様なところがある。その最たるものが、〝音斎処〟でDJ台として重宝している段ボール機器である。
これは一度みていただくのが一番なのだが、とにかく重く頑丈そうな鉄製のテーブル状の機器で、そこに歯車やらハンドルやらが設えられた、想像力をかき立てる代物である。これって多分あれなんだろうな〜 こっちはこうやって動かすんだろうな〜 と、想像はするものの、実際にそうなのかは俄にはわからない。それがアナログのよいところである。想像力の無い私などは、〝音斎処〟を開催する安田邸で一番初めにこれを見た時に「DJ台にちょうどいい」としか思いつかなかった。金槌しか使えない人はすべてが釘に見えるという、あの法則そのものだ。レコードを大音量でかけることにしか気が無い私には、約一トンもあろうかという鉄製のテーブルは、振動を発生させない、ターンテーブルを置いてもアンプを置いてもびくともしない、超強力なDJ台にしか見えなかったのだ。
ISOWA TEKOSYO と銘の入ったその機器の正しい機能と使い方を教えてくださったのは、3月25日の〝音斎処〟終了後にみえた、株式会社ISOWAの磯輪社長である。
昨年同日に開催された〝音斎処〟で、レーザーターンテーブルの乗ったこの機器を見て涙ぐまれた女性がみえた。どうもその方の紹介で今回この機器を見にお出でくださったようだ。(その時の様子は、公開されている同氏のブログ
「磯輪日記」
で確認できるので、ご一読をお願いします。)「磯輪鐵工所」は現在は「株式会社ISOWA」になっているが、「正しく祖父や父が造っていた製品だ」とのお言葉であった。
よくよく考えれば、なにかのご縁により〝音斎処〟をこの安田邸でやり始めなければ、超重量級粗大ごみとして放出されていたかも知れないこの段ボール機器が、こうして一年をかけて新しい方向へと繋がっていった。レコードと同じでこうした機器も人間の生活の中で活きていたモノだけに、時を隔てたとは言え、また人間が動き始めると何かしらの生命力を蘇らせるのかも知れない。そんなことをフと感じた出来事だった。
うかがったところ磯輪社長も私と同年代、音楽好きとのことで、また新たな〝音斎人〟が増えたような気になっている。
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