〝音斎処〟

I Want A Music Using Rear Laser Audio


レコード洗浄

 今日も半日レコード洗浄をしていた。
 知らない方が多いと思うので書いておくと、実は株式会社エルプのレーザー・ターンテーブルは極めて埃に弱い。弱いとはどういうことかというと、レーザーで音溝に刻まれた音源をトレースする為、音溝にある埃も音源として再生してしまうのだ。しかもレーザーではラッセル効果が効かない。つまり針での再生であれば音溝に残っている埃は針が押しのけながら再生していくのだが、物理的形状を持たないレーザー光は溝に残った埃を押しのけることができないのだ。その結果埃の波形が雑音として再生されてしまうのだ。
 レーザー・ターンテーブルで良い音を再生するためには、レコードの徹底的な洗浄が不可欠で、できる限り埃を残さないようにしなければならない。当然ながらレーザー・ターンテーブルでの再生を前提とした洗浄を施したレコードは、一般的な針式のターンテーブルで再生してもその効果は抜群である。針がラッセルする埃がない分音は澄んでくる。スプレー式のレコード・クリーナーでこびりついた音溝の埃までとって仕舞えば、たとえ針式の再生であっても音が良くなるのは当然だ。なんといってもレコードは音溝に刻まれた波形をなぞって音源を再生するわけだから。

 最近洗浄に使う洗剤をいろいろ試している。洗剤といってもレコード専用の洗剤ではない。ごく一般的な洗濯用の洗剤をいろいろと試しているのだ。

 最初に試したのは歯磨き‥‥これはペースト状になっているので、それを小皿に絞り出して精製水で薄めながらレコード面に塗っておき、歯ブラシで溝の中に溜まった埃をゴシゴシ掻き出していたのだ。これは結構効果があったのだが、なんせ腕が疲れる。そこで次につい先日まで使っていたのが液体洗剤‥‥これは、ある程度薄めたものを歯磨き同様歯ブラシにつけてレコード面に満遍なく塗っていくのだ。その後、歯ブラシを軽く動かしながらレコード面にちいさな泡ができるようにこすっていく。これで歯磨きの時よりも作業は楽になり、レコード面の汚れも良く取れるようになった。
 ところがこの方法を実行しているうちにあることを発見してしまった。泡というのは、水分がなくなると粉になるということ。化学的にどうなのかはよくわからないが、泡立てたレコード面の最終洗浄はヴァキューム吸引による汚水の除去なので、泡立てたレコード面を何枚もヴァキューム吸引するうちに、どうもヴァキューム機内部に白い粉が残っていくようになったのだ。場合によっては吸引した水を排水するための細いゴムホースが、そのために詰まってしまう。まぁあまり泡立てないで、あるいはヴァキューム前に多くの水をレコード面に注いで、液体洗剤を薄めて洗い流してやれば良いのだが、それはそれで手間なのだ。
 そんなこんなで今試しているのは、重曹を液体洗剤で溶いてペースト状にしたものをレコード面に塗る方法だ。なんだか最初のペースト状の歯磨きに戻ったようではあるが、そうでもない。今度はゴシゴシ掻き出したりはしないし、泡立てたりもしない。ポイントは音溝の深いところまで均等にこの洗浄剤を塗り込むことにあるようだ。

 先日、たしかFacebookでだったけどレコード盤に木工用ボンドを塗って、一日置いて乾いたボンドを皮をめくるように剥がす、というのが映像つきで紹介されていた。これはこれで良い方法だと思うし、やってみたいと思うのだが、ボンドが乾くのに一日おかないといけないのが難点だ。しかも剥がすときに失敗できない。完全に一枚皮で剥がさなければならない。そんなわけで私は当分液体洗剤系で色々試していくことにする。
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